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2009年1月28日 (水)

ウエッジウッド倒産で考える

ハイサイ!ちゃーがんじゅーね?!

英国王室とも縁が深く、結婚式の引き出物にも人気の世界的な陶器メーカー「ウエッジウッド」が、事実上倒産というニュースが流れました。 揺らぐ事の無い老舗と思っていただけに、飲食業に携わる者として、少なからずショックを受けました。

そもそも、良質のポーセリン(磁器)は、ご存知の通り、中国・朝鮮・日本のものでヨーロッパにはありませんでした。 中国、清の時代、日本の江戸末期などには盛んにヨーロッパに輸出されました。 伊万里焼の影響で「ミントン」や「ロイヤルコペンハーゲン」等の名品も生まれ、磁石の発見から「リモージュ焼」なども生産され、ヨーロッパの文化としての「食器」が発達して行きました。 磁石を利用しない「骨灰」から作る「ボーンチャイナ(この「チャイナ」は陶磁器の意味)」は、チップに強く、カットした後更に焼くと切り口が丸くなり、また、透光性も高く、粉砕すると原料として再利用も出来るなど、優れた性質をもちました。

もう、一年ほど前になりますが、仙台を離れる前に、フランス料理を食べよう(島では食べられないので)と、当時 新進気鋭のレストランに行きました。 が、料理は美味しかった?!のですが、「レストラン」の「ディナーコース8000円」で、テーブルにちゃんとクロスが掛かっていない。カトラリーは「ステンレス」。グラスはガラス。 その分材料費にかけてるから??いや、いいんですけど…。世知辛い世の中になったものです。贅沢な食事を楽しみたいのに、演出がこれでは楽しめません。

カトラリー。業界用語では「シルバー」。文字通り「銀器」です。 その昔、権力者が毒殺から身を守るため、毒に反応し、変色する「銀」がカトラリーとされました。中国の皇帝も、銀の箸を使用していたようです。 また、幸せを約束されて生まれてくる子供と言う意味で、「銀のスプーンを銜えて生まれてきた」とも言います。ですから、新生児に銀のスプーンをプレゼントしたりもします。 「銀のカトラリーで食事をする」というのには、そういった意味合いがあるのです。 また、変色しやすい銀器をきちっと磨いてお客様に出すのは、料理屋の「プライド」でもあると思います。 洗浄機であらって、水滴を拭いただけのステンレスでは、なにも感じられません。

グラスだって「サンルイ」や「バカラ」にしろとは言いません。しかし、部分強化ガラスの厚ぼったい口当たりと妙な軽さは、中の液体を安物に落とすのに充分です。 せめて「リーデル」で呑みたいです。それ、相応の価格のワインでしたので…。

また、「お好きなカップでコーヒーを…。」なんて言われると、これまた「興醒め」。カトラリーや、テーブルウエアは数が「揃っていてナンボ」の世界です。フルコースのプレート、カップ、ソーサーに至るまで、お客様の数だけ(6客が基本セットです。)そろえる。エスプレッソやクリューズ皿の下の「重ね皿」はその名残。 「文化」を理解してもらわなけらば、料理の楽しみも「半減」すると言う物です。

同じ様な事で、「オーセンティックなバー」が、どんどん無くなっていきます。発泡酒や第三のビールが売れる現状。ディスカウントショップでウイスキー1本買うのと、バーでダブルで一杯飲むのと同じくらいの値段です。 家だって、コンビニのかち割り氷にヴォルビック、クリスタル・ダルクかボヘミアのカットグラスなら「上等、じょーとー」。 居酒屋で、発泡酒やサワーで酔うなら、家で呑む方を選びます。 ただ、きちっと管理された酒をきちっとした温度で、きちっとした酒器で呑むなら、「オーセンティックなバー」に行くでしょう。「雰囲気」も「音楽」も「カウンター」も「会話」も、バーの楽しみですから。

へんてこな形の陶器の皿に、ちまちました料理が飾られて…ちっとも「満たされない」ことが多々ありますが、「虚」より「実」だよ!と言われるのなら、ちまちました演出も不要!材料だけドカッと「どや!!」と、やってもらったほうが、いくらかすっきりする。

かくして、文化や芸術が、100年に一度の不景気の犠牲に、真っ先になる訳です。生産性に無いものなら、仕方ないかも知れませんが、役に立っているものなだけに、遺憾に思います。

ユメもチボーも無いもんですか?!ねえ。

あちゃがふーうがんなびら。また、めんそりーよ!

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