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2012年10月12日 (金)

最高の牛肉

ハイサイ!ちゃーがんじゅーね?!

以前勤めていたお店のオーナー会社の社長さん、「ブランド」が大好きな方でした。

ある時「とりまき」の「入れ知恵」と思いますが、突然「牛肉は最高のものを仕入れなさい!」と言い出しました。

当時、ビステカは「ロッシーニ・スタイル」で、出していた為、フォアグラの脂がどうしても和牛の脂とバッティングするので、脂肪交雑はそこそこで肉質の良い「B3」の「交雑F1」を使用していました。余談ですがソースは「ペリグー」で、口の中で「ペリグルディーヌ」を完成させる寸法でした(素人の方はよいとして、西洋料理のコックさんはしっかりついてくるように!)。

 

どうもこの「B3」が気に入らなかったようで、「A5にしなさい!」と、いって聞きません!

 

困ったものです。

よく、通販の番組などで「牛肉でもトップクラスの”A5”で、しかも№12!」などと言ううたい文句を耳にします。

この「A」は和牛を指します。黒毛和種、短角牛、土佐赤牛などが「和牛」であり、これに掛け合わせたものを「交雑牛」=国産牛「B」グレードとなります。

メンデルの法則で交雑代一種(F1)は両方の優性が出るのは御存知の通り。

「A」より「B」が劣るわけではありません。

また、Aの後の数字は脂肪交雑を表します。どれだけ「サシ」が入っているかです。

しかも、№1~№12も「B.M.S(脂肪交雑基準)」であり、「A5」の「№12」は「いちばん脂肪が混じっている肉」と言うことになります。

他に「B.C.S(牛肉色基準)」と「B.F.S(牛脂肪色基準)」と言うのがありますが、あまり語られることはありません。

でも、もっと「美味しい肉」というのは別なところにあるのです。

 

牛フィレ肉は一本丸ごと仕入れなければなりませんが、その中でも切り出す部分によって差の大きな部位と言えます。

フィレ肉は「テット」「シャトーブリアン」「トゥルヌッド」「フィレミニョン」「クー・ド・フィレ」に分けられます。

テットは「頭」と言う意味で繊維が粗く脂肪交雑が少ないので、等級がいくら「5」でも赤身が多くなります。

シャトーブリアンは…ワインの名前ではありません!人名です!テットの下のいちばん太い部分で軟らかく脂肪交雑も多い最上の部分と言えるのではないでしょうか?

ついで上質なのがトゥルヌッド。声楽家「ロッシーニ」さんの好んだ部位です。

シャトーブリアンとトゥルヌッドはソワニエ(VIPとでもいいましょうか?)に優先的にまわされます。

フィレミニョンが一般的に「フィレ肉」といって出回る部位ではないでしょうか?ミニョンは「かわいい」と言う意味でフィレ肉の細い部分も含みます。クーに近い部分は大きさを維持するためにバタフライ(観音開き)に切って、フィセルで巻いて使用します。(最近は結着剤でくっつけてしまうのが一般的です。)

 

クー・ド・フィレとは「フィレの尻尾」の意味です。細い尻尾状の部位ですので繊維が密でサシが入っていないのでステーキには向きません。エスキャロップにしてパネして「カツ」にしたりしすれば十分美味しくいただけます。

ですから、いくら「A5」でも、テットやフィレミニョンなら「B3」のシャトーブリアンが断然美味しく安くてお得になります。

牛だけではありません。「大間の鮪」だって「氷見の鰤」だって「あぐー」だって「比内地鶏」だって同じことなのですが、何処をどう切り出し、料理するかによって「雲泥の差」なのです。

そこが「プロの仕事」であって料理屋が料理屋である所以です。

まともな寿司屋さんが回転寿司の「同じ大間の鮪で何倍も値が張る」わけではないのです。

扱いには「技術」と「熟練」が必要なのです。

 

前出の社長さん、「米沢牛A5のハンバーグ(!!子供か?!)が食べたいと申しておりましたが、あんな脂の多い肉はハンバーグにむかないと思うのですが…。霜降り肉は「すき焼き」「シャブシャブ」「鉄板焼き」がフィットすると思います。(あ、全部日本料理ですね。)

焼肉は網で脂が落ちるので、少しはましでしょうか?(ワタクシは牛肉は断然「赤身派」なので焼肉も「ハラミ」至上主義であります。カルビは…あんまり…得意ではありません。)

 

まあ、なんにせよ「料理屋」は料理があってなんぼですから…。

ここで一句

ラフィットも 扱い悪けりゃ ただの酒

お後がよろしいようで…

 

あちゃがふーうがんなびら。また、めんそりーよ!

参考資料:全肉業連「業務用ミートガイド」(国産食肉業務用規格)

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